新規建設工事中の高圧需要設備の点検要件について

こんにちは、諸川電気管理事務所の諸川です。

今回は、新規建設現場における点検の実施についてお話していこうと思います。

皆さんご存じの方もいるかもしれませんが、新規で建設される高圧需要設備は基本的に主任技術者を工事完了前から立てて管理する必要があります。

これは、自家用電気工作物保安管理規定という資料に記載されておりますが、確認の理由としては下記の通りです。

①巡視及び外観点検を行い、自家用電気工作物が計画通りに施工されていること及び技術基準への適合状況の確認をすること
②①の巡視、点検により、技術基準への適合状況を確認した結果、不適合または不適合の恐れがあると判断した場合は、設置者に技術基準に適合するように処置及びその処置をとらなかった場合に生じると考えられる結果の報告をすること

日本電気協会 自家用電気工作物保安管理規定より

となっております。

よって、高圧の設備を新設する場合には必ず主任技術者、もしくは外部委託をしなければならないということになります。

最近経済産業省の規制も厳しくなっているようで、新規工事を始める際に建設工事会社が工事の申請を経済産業省に出すときに、上記内容を確認されるようです。

そこで、まだ該当する人材がいないとなると工事開始させてくれないケースがあるとのこと。

実際、僕の現場で1件持っているもので4月オープン予定の大型スーパーがあるのですが、昨年10月で外部委託の申請依頼が来ており話を聞くと工事開始できないので誰かやってくれないか?と依頼があったそうです。

新規ビルの建設や比較的大型な商業施設などはだいたい高圧設備ということもあり、その度主任技術者が必要になってくるということです。

都心部だと特にこの依頼が多いイメージでして、先日も複数のお客様から新規建設案件の外部委託依頼の連絡をいただいております。

受けていてやはり痛感するのは、業界の人手不足を感じます。

もっと他にもいっぱい外部委託できるような人がいるイメージですが、結局ほとんど点数いっぱいで受けられないので断る技術者さんが多いようですね。

工事中の巡視、巡回の方法について

基本的な点検内容としては、月次点検時の項目とほぼ変わりませんが工事が適切に行われ、それが技術基準に適合しているのか?という判断も毎回しなければなりません。

例えば接地極の設置や高圧ケーブルの敷設、キュービクルの設置時等に立ち会っているケースが多いようです。

特に上記のような一度やったら修正が難しい工事があるときは、必ず確認が必要と思います。

接地極などは埋めてしまうと修正が効きませんので、出来た時点で正常な値が記録できるのか確認が必要ですね。その工事の時点で、正しい状態か否かを確認する点検内容となってくるということです。

なお、点検頻度は経済産業省告示第249号に記載されておりますが、週1回の点検が必要とのことです。

竣工検査について

こちらに関しても、工事期間中のものと同じで計画通りに施工されているものか確認することと、技術基準に適合しているかどうかを確認していく必要があります。

ここでもし不適合見逃してしまうと、簡単に是正できませんので最後のチャンスになります。

もし不適合箇所を発見した場合は、設置者へ直接指示または助言を行うようにして不適合箇所を是正後再度竣工検査をする必要があります。

これで全て問題なければ、ようやく通常の点検業務が開始されることとなります。

まとめ

今回は最近のお客様からお話が上がったので、取り上げさせていただきました。

もし、高圧需要設備の新設をご検討の場合は主任技術者もしくは外部委託者を探して契約をしておかなければなりません。

用意しないことにより、ビル建設のストップが発生したり施工状態の不備が発生する可能性があります。

出来る限りスムーズに工事を進めるためにも、出来る限り早めに人材を見つけておきたいところですね。

以上、ここまでお読みいただきありがとうございました。

諸川電気管理事務所代表 諸川真吾 1984年、北海道生まれ横浜育ち。 工業高校を卒業後、神奈川県の電気工事会社へ。紆余曲折経てビル管理業へ転職後、電気保安管理の実務経験を積み2021年10月に独立。 HP、TwitterなどのSNSや広告運用などを駆使し業績拡大中。 同時に電気保安管理についてのブログ運営を行い同業者を支援し増やす取り組みを行う傍ら、職業訓練校の非常勤講師として活躍。 現在は、法人化を視野に入れた営業活動に力を入れつつ、大手法人の年次点検応援なども行っています。

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