HPをご覧いただきありがとうございます。諸川電気管理事務所の諸川です。
つい先日、今の契約より安くならないか?というご連絡をいただき、数回現調をしてまいりました。
その中で感じた所見を今回お伝えできればと思います。
電気設備の外部委託について
以前の記事でも上げましたが、自家用電気工作物の管理と維持、運用については電気主任技術者という国家資格を所持した人が管理をしなければなりません。
ですが、自社でこの人材を用意する余裕がない場合というのが往々にしてあるということで、国は外部の人間つまり外部委託してもいいよ!というルールを作りました。
現在では、有名なところでいうと関東電気保安協会等一財と呼ばれる法人か、個人事業主となって請け負うやり方または保安法人と呼ばれる会社に依頼するやり方があります。
今回ご連絡いただいたお客様は保安法人へ外部委託しており、今より安くなるのかどうか?というところを確認したかったようです。
まず、前提知識として相場価格が高い順は以下の通りです。
①保安協会
②電気管理技術者
③保安法人
ですので、保安法人へ外部委託されていると個人の電気管理技術者の値段は高くなることが多いのです。
また、最近では保安協会が受けられない物件、例えば金額の折り合いがつかないとか管理状態が悪いとかいった曰くつき物件を、保安法人へ渡してしまうことが多いようです。
お客様の方も、やはり安価な契約をできればしたいということで保安法人へ契約変更をすることが多くなっています。
どこと契約するのが一番いいのか
お客様としては、当たり前ですが安くて質のいいところと契約できるのが一番だと思います。
ただ、例えばですが大手法人、大手チェーン店、コンビニ等は安心を買うために業界平均から見ても高い保安協会へ管理を委託しているようです。
やはり事故時の対応で遅れると経営への打撃が凄まじいので、組織力と対応力がある会社に依頼したいと考えているのではないでしょうか。
現在は管理する物件が増え続けている影響か、保安協会はこういった大型物件以外の小さい物件をほぼ断っている状況であると耳にしています。
ですので、一般的なお客様で外部委託する場合は実質2つしか選択肢がない場合が多いです。
②電気管理技術者
③保安法人
この2つと言われてもどっちにすれば…となると思うので一つ一番わかりやすい判断基準をご紹介すると、担当者の変更があります。
個人で請け負っている電気管理技術者は契約する人が1人しかいませんので、物件を誰かに譲らない限りずっと外部委託を請け負ってくれます。
対する保安法人は、点検する保安業務者が複数いるので1年毎に担当が変わったりして、今誰が担当してるのかわからなくなることがあります。
1人の人と長くお付き合いするか、保安法人に依頼して組織で管理していただくか。
まずはそういった考え方で検討していただくといいかと思います。
あともう一つの方法として緊急対応の対処の仕方を見る方法があります。
緊急時は基本どちらも誰かに応援できる体制を持っているので安心できますが、中には緊急時夜間深夜や休日など連絡しても全然繋がらず対応もしてくれないような電気管理技術者や保安法人がいらっしゃいます。
もし、そういったことが一度でもあったら繰り返す可能性が非常に高いので、契約変更を検討したほうがいいです。
結局、保安管理においてその人やその保安法人の真価が問われるのは緊急時なので、緊急対応の良しあしで継続するかどうか考えるのが一番費用対効果が高いと考えています。
ただお分かりの通り契約する前にこんなことわかりませんので、ご判断が難しいところではありますが…。
例えば、普段の対応でも要望に真摯に対応してくれるとか、頻繁にいろいろなアドバイスをくれるとかそういったことがあれば緊急時もしっかり対応してくれると思います。
電気主任技術者は、物件の電気設備全般を総合的に管理し電気事業法や電気設備技術基準等を守るために存在してます。
ですので、お客様の声を聴いて相談に乗るのは一番大事なことです。
中には点検さえしてればいいと考える技術者さんもいますので、付き合っている中でそういう傾向が出てきたら契約変更のご判断をされた方がいいかもしれませんね。
まとめ
おわかりの通り、私が代表を務めさせていただいてる電気管理事務所は1人しかいませんので、依頼があれば私が対応することとなっています。
電気管理技術者協同機構というところにも所属しておりますので、緊急時もし私が対応できなくても他の会員が対応できるような体制を整えております。
なお、今回ご連絡いただいたお客様は、お安くしたいという話以外にも様々なことをご質問していただき、こちらも改めて勉強になった次第です。
当事務所へ契約変更とはまだなってませんが、できる限り要望を受け入れて協力したいところですね。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。